こんにちは、星猫です𓃠✨️
さて、皆さんは「求めよ、さらば与えられん」と言う言葉をご存知でしょうか?
これはマタイ伝…つまりは聖書にある一説、「神に祈り求めなさい。 そうすれば神は正しい信仰を与えてくださるだろう」と言う文脈から出来た言葉なのです。
意味をちょっと分かりやすく解説するなら、何か欲しいものや成就させたい事があるのであれば、ただ待つのではなく、積極的に自ら求めなさいよ、と言う意味になります。
別にキリスト教信者じゃなくたって、何となく共感は得られそうなところですね。
しかし、こと「恋愛」においてはどうでしょうね?
星猫は「恋愛」においてはこの「求めよ、さらば与えられん」はなんとなく当てはまらないような気がするのです。
経験のある人なら尚身に染みて分かる事なのでしょうが、愛情を求めれば求めるほど、相手に好きになってもらいたいと求めれば求めるほど、不思議と相手は離れていくものです。
そこで星猫は思うわけです。「汝、愛されたくば、まずは愛せよ」と…今日のテーマは、何故そう思うか、それをとってもロジカルに、理論的に解説していきたいと思います。
愛される為には、何が必要なのでしょう?そもそも愛情ってなんなのでしょうね?「愛する」ってどういう事なんでしょう?どうして愛が欲しければ、まずは自分から与える必要があるのでしょう?
恋愛は、努力の道です。サンボマスターに言わせれば、「ぬくもりと言う名の獣道」なのでしょう。
さっ、本題に入りますよ。
○「恋」と「愛」は別物
まずは言葉の定義から行きましょう。
「恋」と「愛」はよく一緒くたにされがちです。「恋愛」と名がつくように、それは確かに似た感覚でもあり、ほぼセットみたいなもんですから…
でもよくよく考えてみましょう。多くの親は、子を愛しています。では、それは子に対して恋をしているという事なのでしょうか?
違いますね。では、中学生の女の子が、とある男の子に恋をしました。その子は彼を「愛している」と言います。でも、我々大人からすると、なんだかその「愛してる」に違和感を感じますね。本当に「愛してるかどうか」は置いておいて、どうしても、薄っぺらく感じてしまいます。
何故かと聞かれると、言語化が難しいでしょう。でも、多くの人はこれらの事象に対して、自然とした違和感を感じるはずです。
「恋」と「愛」は違うことなのです。もっと言えば、「恋する事」と「愛する事」は明確に別物なのです。確かに「恋愛」と説きますが、それらは二人の関係性の総称や全てのプロセスをひっくるめた言い方で、混同するべきではありません。
今日のテーマはあくまで「汝、愛されたくば、まずは愛せよ」です。取り扱って行くのは主に「愛」「愛する事」についてですが、「恋」とごっちゃになるとややこしいので、先に整理しておきましょう。
まずは、「恋」について、ちょっと解説しておきます。
○「恋」は化学反応…通称「理由無き好意」
結論から行きましょう。「恋」が何か…その正体とは、脳の中で起こる一つの「化学反応」に過ぎません。
随分と夢の無い話ですね笑。ロマンチックの欠片もありません。
でも、事実そうなのです。
「恋」は「落ちる」ものです。誰かを「好きになろう」と思ってなる事が出来ないように、「好きにならない」と思っててもなるときはあっさりとなってしまうものです。
それは自分の意志ではどうしようもない出来事なのです。本能的に、そうなってしまうに過ぎません。だから、星猫は「恋」をあくまで「脳の化学反応である」と定義づけます。
よって「恋」をするのに条件はありません。「お金があるから好き」だとか、「顔がいいから好き」とか、「優しいから好き」なんてのは、全て後付けの理由に過ぎません。
強いて言うなれば、「恋」をしている時、あなたは「遺伝子レベルで」相手に惹かれてしまっているのです。理由なんかなくとも、一緒にいるだけでドキドキするとか、トキメキを感じてしまうのです。
脳医学では、恋をしている時人間の脳では、お相手と言う特定の刺激に対して、ハッピーホルモン「PEA」と言うホルモンが分泌されているそうです。詳しくは検索してもらいたいのですが、このPEAは人間の脳に幸福感をもたらすと共に、脳の一部の機能を麻痺させる働きがあるそうです。
「恋は盲目」と言われるのもその為かもしれませんね。まぁ、もっとも人は元来ロマンチストな生き物ですから、それを成立させる為に「優しいから」とか「カッコイイから」とか「運命だから」とか、美しい都合のいい理由をつけたがるものです。
つまるところ、恋とは脳の働きの一部に過ぎないのです。もっと言えば、遺伝子的にタイプなお相手と言う刺激に対して起こる、化学反応に過ぎないのです。現在進行形で恋をしている人にとっては、やはり随分夢の無い話ではありますね。ごめんなさい。
○「愛」は「思いやり」
じゃあ「愛」って何なのでしょうかね?これはもっと複雑で、諸説ありなのですが…
星猫はお客様に「愛とはなにか?」について尋ねられた時、「思いやりである」と答えます。
「思いやり」を辞書で引くと、そこには「相手の立場に立って考える事」や、「相手の気持ちを理解する事」と出てきます。
つまりは、「愛」とは「相手にとっての幸せが何か、相手にとっての興味関心事が何かを考える事」であり、「愛する事」とは、それらの実現に資する事なのだと解釈します。
「恋」は自らの化学反応ですから、主語に「自分」が来ます。恋をして、幸せになれるのは「自分」です。一方で、「愛」の主語は「相手」です。愛することによって幸せになるのは、「相手」なのです。「愛する事」そのものだけでは、自分は幸せになれませんから、自分の幸せはそれによって生じる別のもので満たさなければなりません。やはり、両者は本質的に異なるものなのです。
○何故、愛さなければ愛を得られないのか?
「恋」と「愛」の違いについてはお分かりいただけましたね。
とはいえ、恋愛をするに当たっては、誰もが「愛されたい」と強く願います。
稀に自己犠牲的に「愛する事」のみで自分の幸せを実感出来る方もおられますが、稀有なパターンです。
「貢献感」の原則に従うとそれだけでも充分な幸せなはずなのですが、相手に愛して貰えないと、自分の価値を安く見られている気がします。そこに、自分の居場所を感じるには至りません。大事にされてないと、「必要とされている」と感じ難いのです。
しかし、本日のテーマは「汝、愛されたくば、まずは愛せよ」です。
たとえ、自己犠牲に尽きてしまう恐れがあったとしても、愛を返してもらえる保証などなくても、まずは愛さなければ、愛は得られないのです。ですから、人を愛する事は獣道であり、誰もがためらう事でもあります。愛と、ためらいの哲学なのです。
何故なのか、説明していきましょう。
○社会的等価交換の原則
結論から言うなれば、関係性の維持には「社会的等価交換の原則」が必要だからです。「社会的等価交換の原則」とは、「相手から幸せを求めるのであれば、その幸せと同じ分だけ相手を幸せにしてあげなければ、その関係性は成り立たない」と言う原則です。
ちょっと面白い例え話をしましょう。臨床心理士のゆうきゆう先生が出していた漫画からです。
「ある所に、みつぐ君と言う男の子がいました。
みつぐ君は、果物屋さんにて、300円のリンゴが3つ入った籠を見つけます。
リンゴを食べたいみつぐ君は、手持ちの100円を店主に差し出し、「このリンゴの籠をください」とお願いをします。
当然店主は断ります。「100円では、リンゴの籠を売れないよ」と。
するとみつぐ君は大暴れ!!店の前で喚き散らし、手足をばたつかせました。店主は、みつぐ君を外に追い出し、「二度と来るな」と言い放ちました。」
…まぁ、当然と言えば当然の結果ですね。この話では、みつぐ君がおかしい事は、誰でも理解が及ぶところでしょう。
もうひとつ行きましょう。
「ある所に、Bさんに恋をしたAさんと言う女性がいました。
AさんはBさんが好きなので、「私と付き合って!」と告白をします。
しかし、BさんはAさんがタイプではなかったので、「タイプじゃないから、付き合えない」と断ります。
するとAさんは「私がこんなに好きなのに!」と怒り出しました。怖くなったBさんは、Aさんから逃げるようにその場を後にし、連絡先もブロックしてしまいました。」
…なんだか似てませんか?みつぐ君のような子は現実味がありませんが、Aさんのような女性や男性は、よく見かける気がしますね。
いずれもちょっと不幸なお話です。では、みつぐ君もAさんもどうして上手く幸せになる事が出来なかったのでしょうか?
○社会的等価交換の原則が守れてないと、関係性は維持出来ない
そこで出てくるのが、社会的等価交換の原則です。
みつぐ君のケースは分かりやすいですね。みつぐ君は「300円分のリンゴ」と言う幸せを求めましたが、店主の幸せである「売上の300円」を与えなかった為に、みつぐ君は店主から幸せを受け取る事が出来ませんでした。
みつぐ君はどうすれば良かったでしょう?答えは、「100円分のリンゴだけを求める」か「300円持ってくる」ですね。交渉すると言う手段もありますが、少なくとも、暴れるべきではありませんでした。
みつぐ君のケースが分かりやすいのは、目に見え、ある程度共通で「幸せ」の価値になり得る「お金」がテーマとなっているからです。
もう一度、「社会的等価交換の原則」を振り返ってみましょう。「相手から幸せを求めるのであれば、その幸せと同じ分だけ相手を幸せにしてあげなければ、その関係性は成り立たない」、これが原則です。
問題はその「幸せが何か」なのですが、「お金」は共通の価値を持ちやすいので、みつぐ君のケースは分かりやすいのです。
○Aさんは勘違いをしている
では、Aさんの場合はどうでしょうか?
Aさんにとっての幸せは何でしょう?それは、「大好きなBさんと付き合える」と言う幸せですね。一方で、AさんはBさんに幸せを与えているでしょうか?
自分にとっての幸せが「付き合える事」だとしても、相手にとってもそれが同じ価値を持つとは限りません。「こんなに好きなのに!」の言葉の裏側には、「付き合ったらお互い幸せになれるのに!」と言う思惑が隠れています。
でも、BさんはそもそもAさんがタイプでは無いので好きではありませんし、AさんはBさんの幸せが何かも知ろうとしていません。強引な交渉を詰め寄れば詰め寄るほど、相手は引いていきますね。
上手くいかなくて、当然なのです。
○じゃあどうすれば良かったの?
ここで、本日のテーマである「汝、愛されたければ、まずは愛せよ」に繋がってきます。
「愛」とは「思いやり」である事と説きました。
Aさんに必要だったのは、まず第一に「Bさんにとっての幸せが何か?」を考える事だったのです。「愛」が無いからこそ、「自分にとっての幸せは、当然相手にとっても幸せである」と勘違いをしてしまったのです。
お金と違って目に見えない分難しいのですが、予測するに、Bさんにとっての幸せとは、「タイプだと思える人と付き合いたい」でしょう。
それならそれで、AさんはまずBさんにとってのタイプがどんな人か聞かなければなりませんし、自分がその条件に当てはまっていないのであれば、自分をそのタイプに寄せるよう努力しなければなりません。
それが、社会的等価交換の原則であり、「汝、愛されたければ、まずは愛せよ」の理由なのです。「愛される事」があなたにとって幸せなのであれば、同じだけ「相手にとっての幸せ」をあなたから与えなければならないのです。そうでなければ、関係性を維持しえる事は出来ないのです。
○幸せは、変わりゆく生もの
しかし、ここで注意しておかなければならないのが、「幸せは変わりゆくものである」と言う事です。
「何が幸せか?」はその時々のものなのです。Aさんも、最初はBさんが好きで一緒にいれるだけでも高い価値を感じていたとしても、時間がたち、恋の賞味期限が来ると、当初の様な幸福感をもたらす「恋」の幸せは薄れてきます。
そうなった時、AさんはBさんに別の幸せを見出していかなければなりません。努力の度合いが大きいと、それはより一層大きなものになるでしょう。
その一つが、パートナーシップなのです。それは、「恋」と違い、より長続きし、不変のものでもあります。
詳しくは別記事で解説しています。興味がある方は、是非読んでみてください。
○愛したからと言って、必ず愛してくれるとは限らない
もっとも、お相手を愛したからと言って必ずしも相手が同じだけあなたを愛し、幸せにしてくれるとは限りません。
Aさんの様に、Bさんも自分の幸せを勘違いして押し売りしてくるかもしれません。みつぐ君も、一度は300円で買えたのに、「金払いがいい」と、次は500円請求されるかもしれません。
あなたが与えた幸せが安く買い叩かれたり、まったく支払ってもらえない事も、相手によっては往々にしてあるものです。
それならそれで、あなたには「愛さない」と言う選択肢があるのです。自己犠牲では幸せになれませんから、相手の支払いに不服があるのであれば、請求するか、愛する事をさっさと辞め、損切りをするべきです。
だからこそ、このテーマは「愛とためらいの哲学」であり、「ぬくもりという名の獣道」なのです。人を愛する事は、そもそもに難しく、勇気のいる事なのです。
○「汝、愛されたければ、まずは愛せよ」
それでも、愛が欲しければ、まずは相手を愛さなければなりません。
みつぐ君の様に、「買いたい」と思うなれば、その意思表示をし、相手が提示する「幸せ」を満たしてやらなければ、その関係性は成り立ちません。
そもそもに、与える幸せを持ち合わせていないのであれば、稼ぐための「努力」が必要なのです。そして、こと恋愛においては、それを維持しなければなりません。
多くの親は、あなた達子供が幸せになる事が、自分の幸せでもあります。「無償の愛」とも呼びます。でも、恋愛は他人から始まります。あなたが喜んだからといって、相手も同じように喜ぶとは限りません。例え与えるのが困難であろうとも、求めるばかりでは、相手は離れるばかりです。甘えは捨てましょう。
○まとめ
いかがだったでしょうか?
今日のテーマは、少し厳しい、とても現実的なお話でしたね。
それでも、この原則を理解していなければ、あなたがお相手から愛を得る事は叶わないでしょう。
どうか、人を愛する強さと、勇気を持ちえてください。それが、幸せになる為に必要な努力なのです。
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